変わりつつある親権問題。男性でも親権をとれる時代へ。

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探偵-栃木-170529

離婚する夫婦の間に未成年の子どもがいる場合、争点になるのが親権者の問題です。この場合、どちらか片方の親が親権者になり、子どもを育て行くことになります。

裁判でも非常に揉めやすい親権の問題。父親母親に関わらず、子どもに対する愛情のある親なら、自分が親権者になりたいと願うのは当然のことです。

しかしこれまでは、裁判所の判断にゆだねた場合は、母親に親権が認められる傾向があった、というのはご存知でしょうか。特にこれは、乳幼児の親権について顕著にあらわれます。

この理由の1つが、「母性優先の原則」です。

母性優先の原則とは、『低年齢の子については、一般的に母親に監護させるのがその子の福祉にかなうため、母親に親権を認めるべき』というものです。

理由としては、子どもが幼いうちはきめ細やかな育児・家事の必要があり、父親よりも母親の方がその役割にふさわしいから、とされています。

しかしながら、本来、子の親権は、「子の福祉」という観点からどちらの親が親権者に適切であるかを客観的に判断されるべきものです。単純に「母親だから」という理由で親権が認められることは、妥当ではありません。女性だからといって子どもに接する技術が男性より優れていると断定することはできませんし、何より近年の社会においてはこのような性差別的考えは不適切です。

このため、近年の裁判例では一概にも「母性優先の原則」が絶対的ではなくなっています。

例えば、平成6年5月17日仙台高裁秋田支部の決定では、

「1歳未満の時期に母親に養育されなかったからといって直ちに発育上重大な影響を及ぼすとは限らないのであって、事件本人を父母いずれの監護養育の下に置くのが相当か(は)、・・・事件本人を取り巻く双方の保護環境等についてのより詳細かつ具体的な資料を収集した上で、実情に即した判断が必要である。」

と、されています。

また、記憶に新しい昨年の平成28年3月29日には千葉家裁松戸支部にて年間100日以上の母親との面会を提案し、一審で親権は父親との判決が出たことで注目された「フレンドリーペアレント」。その後の上審の判決では母親側となりましたが、子どもの養育上、どちらの親にもいつでも会えるという環境を作ると主張する父親側、逆に月に1回、できれば元夫に会わせたくないと主張する母親を地裁では親権を父親と判断しました。

このように、自分が父親だから親権者になれない、母親だから親権者になるという考え方は次第に変わりつつ世の中であり、本当に子どもに対して有益な状況を作り出せる方へ親権がわたされる時代になっています。

「子の福祉」の観点から、裁判所に対して自分こそが親権者に適任であるということと、子どもを思う気持ちを具体的に裁判所に対して提案できた親が親権者に相応しいと判断されます。つまり、このような「本当に子を想う気持ち」の主張を適切に行うことが、今後の親権争いでは非常に重要となる、ということです。

子どもを実際に引き取った場合の養育環境や自分の愛情、金銭的な裕福さ、子どもの意向など、さまざまな判断基準においてもっとも親権にふさわしい親が、親権者となることを、覚えておきましょう。

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