A.不貞をした妻(夫)だけでなく、不貞相手にも慰謝料の請求をすることができます。故意にせよ、過失にせよ、結婚生活を破たんさせた責任は不貞相手にもあるのです。
これを「不真正連帯債務」といって、不貞をされた配偶者が受けた精神的損害に見合う額を、不貞をした2人で支払って賠償しなさいという考え方です。
2人の責任の割合によって、それぞれの負担額を決めることになります。
ただし、不貞をしていた夫(妻)が不貞相手に独身であると偽っていた場合の請求は難しくなります。
結婚していることを不倫相手が知っていたか? 知らなかったか?これが大きな争点となるのです。
じゃあ、「知らなかった」と簡単に言い逃れできるのでは?と思えますが、そうでもありません。
年齢的に結婚していてもおかしくないと考えられるのに確かめようともしなかった場合、不貞相手に「過失があった」とすることができます。
また、不貞行為が始まった時点ですでに夫婦関係が破たんしていた場合(あるいは破綻していると不貞相手が過失なく信じていた場合)には、不貞相手に慰謝料を請求することはできません。
この場合は、夫婦関係が破たんしていた、破たんしていない、と言い分が食い違うことが多く、調停、裁判では大きな争点になります。
破たんの事実、破たんしていない事実をお互いが証明していくことになりますが、その内容は、夫婦の性生活の有無や期間、生活のリズムなのか、家庭内別居といえるのか。その他、家族で言った旅行や外食の回数、その時期。または家族でおこなった子供の誕生日祝いや、この季節なら家族でバーベキューなど。そして重要な生活費や金銭の流れ。様々な角度から話し合われます。
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