浮気調査が終了し、証拠を手にした後の依頼者さんからのご相談の中で、とても多いご質問が「〇〇にバラしたいのですが、問題ありますか?」といったものです。
〇〇に入るのは、会社であったり、相手の旦那さんや奥さん、浮気相手の親など様々です。また、その目的も浮気相手を会社から辞めさせたい、不幸になって欲しい、相手の家庭を壊したい、親から別れるように言ってもらう、とネガティブな理由が多いようです。
そこで今回は「バラすこと」のデメリットや注意点、対策などをケース別に解説していきましょう。
┃会社、職場のみんなにバラす
職場不倫の場合、その職場に勤める方々にバラしたいと思う方は多くいらっしゃいます。しかし、何も考えず露骨にバラしてしまうと、プライバシー侵害や名誉棄損、営業妨害など様々な法律に触れてしまう可能性があります。
どうしても2人が一緒の職場に居ることが耐えられないという方は、「こっそりと相談する」といった形で上司などに接触します。そして「こんな話はお恥ずかしいのですが…」というスタンスで内密に異動や転勤、部署の変更などの検討を「お願いする」といった形を取りましょう。
しかし退職までを迫るのは難しいということは覚えておいて下さい。また、どうしても社員さんの全員に言いふらしたいという方は、自然と話が広まるように、更には話の出どころが自分だと分からないように気を使う必要があります。
職場に話せる方や知り合いがいれば、2人程度に話をして 「限られた人にだけ相談した」 という形を取りましょう。コツは 「バラす」ではなくて、あくまで「身の上相談をした」です。
仮にそのことが後々に大ごととなってしまった場合は、涙ぐみながら 「辛くて、、辛くて、、何人かに相談、、してしまいました、、、」 と中森明菜さんくらいの小さな声で言いましょう。
(過去記事⇒⇒不倫相手に退職を請求することはできるの?)
┃浮気相手が既婚でその配偶者にバラしたい(浮気相手の旦那や奥さんにバラす)
浮気相手が既婚者である場合、その旦那さんや奥さんにバラす行為についてですが、例えばあなたがいきなり自宅に乗り込むといった行動をした場合、どうなるかを想像してみましょう。相手を目の前にした場合、その口調も激しくなり、興奮もすることもあるでしょう。
その結果、「近所にバラされたくなかったら〇〇しろ」などと、思わず言ってしまう可能性も十分あるのです。スマホの録音機能を使ってその会話を相手に録音されてしまうことも。そう、言い方によっては脅迫、恐喝、などの法律を犯してしまうリスクがあるということです。
また、相手の対応がこちらの思っていた対応ではないこともあります。「相手はさぞ驚くであろう、困るであろう」と思っているのは、あなたが勝手に思っているだけです。もしかすると相手側は、浮気に気が付いていて、それを懸命に修復しようと努力している最中かもしれません。
そうなると言われた方は当然「そんなの知っているんだ!余計な事をして!」と怒るでしょう。相手の状況や考え方、特に他の夫婦の絆や価値観は、全く分からない、想像できない ということを覚えておいてください。
リスクを負ってまでわざわざ浮気相手の旦那や奥さんへ言わなくても、内容証明郵便が届いた時点で自然にバレます。「イヤイヤ、郵便を本人が受け取ればバレないじゃないか」 と言う方もいますが、内容証明郵便が家族にバレないようにと郵便屋さんのバイクを今か今かと待っていて、仮に家族の誰よりも先に受け取ったとしても、不安やプレッシャーに押しつぶされカミングアウトするのがオチです。そして金額や内容で最後まで夫婦間で内緒に解決するのは難しいでしょう。
その場の感情で行動してしまい、足元をすくわれないよう十分注意して下さい。
┃親にバラして別れるよう言ってもらう
浮気相手が独身者の場合に多くみられるケースです。浮気相手の親から別れるように言ってもらおうと考えている。つまりあなたはパートナーとヨリを戻りたいと思っている前提です。
さてさて、浮気相手は自分の親から注意されて、あなたのパートナーと別れるでしょうか?別れると思っておりますでしょうか?
不倫は障害やリスクがあるから燃え上るものです。この行動はそんな2人の障害を増やすだけなのです。「真実の愛ってこんなにも辛いんだね」「そうね、こんなにも辛いものなのね」と思われて2人の絆がますます強くなるのが目に見えてます。
例えるならドラクエのバイキルト、スーマリならキノコ、トミーとマツならトミコと言われた後のトミーくらい2人の仲はパワーアップしてしまうのです。
あなたが不倫相手の親へ話をして「お前がそこまでやってくれたのか、、、ごめん…」なーんてなりません。「あなた、、そんなにも私を思ってくれるのね、、、分かったわ…」なーんて絶対にないのです。パートナーを浮気相手から本気で取り戻すのであれば、このような行動は全くの逆効果であることに気付いて下さい。
浮気の事実を受け入れられない気持ちやどう話していいのかわからない。不倫の事実を目の前に突き付けられ動揺し、落ち込むでしょう。その気持ちはよく分かります。しかし悩んでも結論は出ませんし、上手な話の切り出し方を一生懸命考えても大して変わりません。
修復したいのか離婚したいのかの2択でしかないのです。せっかくお金をかけて証拠を撮っても、相手の出方を見てから、もう少し様子を見てから決める。と言って行動に移すことができずに時間だけが過ぎて行く人もいるのです。
私の経験から言って、様子を見ても、出方を待っても、夫婦がイイ方向へ向かうことは絶対にないということです。別居という選択肢もありますが、このような「他力本願」的な考えの方は5年程度の別居期間を過ぎてしまえばパートナーから別れ話をスパッと切り出されることになります。
人はイヤなことを目の前にした場合、他の力を利用することを考えます。しかしこの話は夫婦の話なのです。夫婦で向き合うことから逃げている以外の何ものでもないのです。宜しいでしょうか?あなたたちは夫婦なんです。今回の話は夫婦の力で乗り越えなければならないのです。
不倫をした自分の旦那、妻と向き合うことをしなければ絶対に解決もせず、パートナーが戻ってくることはないでしょう。本気で取り戻したいのであれば真正面からぶつかり、浮気された自分を振り返り、今までの生活の中で自分も悪かったことを認め、反省し、しっかりと向き合い事実を受け入れること、そしてパートナーのために自分がどこまで変われるか。それに挑まずして元サヤ、夫婦修復の道はないのです。
浮気相手の親から別れるように言ってもらおうなど、こちらの弱みを見せることになり、結果相手側につけ込まれるスキを与え、以後なめられることでしょう。とにかくその行動を取ったあなたの評価は大きくマイナスです。カスガイであるお子さんがいても、パートナーはすぐに離れて行くでしょう。
┃番外編 浮気相手本人に直接会って文句を言いたい
夫婦復縁、修復をお考えであれば、まずは夫婦で向き合うこと、話し合うことから始めた、たくさん話をした、その結果「離婚」となり、相手に何かをするという状況になる場合もあります。自分で浮気相手に直接文句を言うのもいいでしょうが、慰謝料請求の内容証明郵便がいきなり届くことが相手にとって一番の効果があります。
また、前項で述べたように相手の態度、考えは想像できないものです。素直に謝罪するだろうと思っていても予想と反してふてぶてしい態度、反省のかけらも感じられない場合も多くあるのです。その結果、カッとなってしまい相手を殴ってしまえば 「傷害で逮捕」 なんてことになりかねません。
┃まとめ
浮気の事実を近所に回覧板を回したり、探偵が撮ったラブホの写真をインスタにアップする人はいないと思いますが、不特定多数の人に故意的にバラした場合は犯罪となる可能性が十分含まれています。それと、浮気相手とその家族を含め、物事の対応や夫婦の考え方は、決して予想ができないということを忘れずにいて下さい。また、復縁、修復したい方は夫婦で向き合う前から浮気相手の方を攻めるのではなく、浮気の事実を踏まえてしっかりと夫婦で話し合いましょう。相手を困らせれば戻ってくるは大間違いです。
場合によっては相手側に考えるスキを与えないため、2人に相談させる時間を与えないために、パートナーと浮気相手へ一気に打ち明ける方法も大変効果的です。これは2人いっぺんに別々の場所で行うため、信頼できる協力者が必要となりますが大変オススメです。強制的に夫婦で話すことになりますし、浮気相手と口裏を合わせたり、相談できなくなるので、パートナーが今後どうしたいのか本当の姿や気持ちを引き出すことができます。
いずれにせよコトを起こす時には、決して感情的にならずにきちんとした手順を踏んで、作戦を練って、進めることが大切なのです。
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