2021年4月30日、Appleから発売された「AirTag」について、探偵目線から様々な検証をした結果をまとめました。
恐らく皆さんも、「こんな使い方やあんな使い方はできるの?」と思った方も多いでしょう。お問い合わせも多く頂いております。
はい、それは平たく言うと「浮気調査には使えるの?」とか「あの人の行動を知ることは出来ないの?」とか「小さいのでバックにもこっそり入れられたりするの?」などでしょう。
今日現在、YouTubeなどでも様々な方が、この製品の紹介やレビューを上げておりますが、確信に迫った内容は、今のところ誰もハッキリ明言できていませんので、そのあたりを重点的に解説いたします。そして使い方や商品、開封レビューなどの余計な解説は一切省きますので、そちらは他の方のYouTube動画を見てください。
また、解説は本日現在2021年5月22日の情報です。
Appleは今後、様々なアップデートがなされますので、そこもご理解、ご注意下さい。
では参りましょう。
AirTagを他人のバックや靴底に仕込んだ場合のApple社の対策
例えば、AirTagを本人に分からないようにバックに仕込んだ場合、そのAirTagはどういった作動をするかと言えば、仕込まれた方がiPhone12以上、またはiPhone11のPRO、PROMAXを所持している場合、そのiPhone画面に注意勧告の表示が出ます。
これは、そのiPhoneに「探す」アプリを入れていなくてもです。※「探す」アプリの説明は省略します。
また、仕込まれた方がAndroidユーザーの場合はどうかと言えば、表示はされませんが、本体から音が鳴ります。
それからiPhone11の上記以外の機種、またはiPhoneX以下をお持ちの場合でも同様に音が鳴りますが、これは今後、アップデートでiPhone下位機種でも画面表示が出るようになると予想されます。今現在は本体から音を出すことで、プライバシー対策しております。
これは、近くにiPhoneユーザーが居れば(iPhoneであれば機種は関係ない)、それに反応し本体が作動します。その半径は検証結果では、およそ10m~20m以内といった所でしょう。
ですので仮に、旦那さんのカバンに仕込んだ場合、その旦那さんがAndroidで、愛人がiPhoneの場合はもちろん反応しますし、愛人もAndroidユーザーだとしても、同じ空間、例えば飲食店や電車内にiPhoneユーザー(iPhoneであれば機種は関係ない)が居れば本体が反応し音を出します。
iPhoneユーザーが居れば、という書き方をしましたが、絶対に居ます。
世界中に数億台あるiPhoneの包囲網を避けるのは不可能という事です。
この一連の動作は、AirTagを設定したその所有者から、一定の距離を離れた場合に作動します。その距離はハッキリ明記できませんが、500mとか1km以上離れたら作動する、くらいの感覚でした。
Apple社は、Androidユーザーにも、さらにはガラケーやポケベルユーザー(いないでしょうけど)、そして携帯を持っていない方まで、本体から音を出すことで、AirTagを仕込まれた方に知らせる対策を取っています。
では、本体を分解しスピーカーを外してはどうか?
これは物理的に可能です。当社も試みようとしました。しかし、冒頭でも記述しましたが、Apple社はこれからアップデートという方法で対策を取るでしょう。私が考えつくぐらいのことは、当然ですが世界のAppleは把握しております。なので、スピーカーを外したら起動しない、無効となる、などのアップデートは時間の問題でしょう。
結果、浮気調査には使えるか?
答えは使えません。バレるでしょう。
正確に言えば、今現在2021年5月22日の時点では、条件が揃えば使えないことも無いでしょうが、相当リスクが高くやめておいた方がいいでしょう。
このAirTagという製品は、あくまで「自分の物を探す」ことに特化した、不正使用をさせない優秀な製品であると言えます。
もともと無くなっては困るものを探し出す道具な訳ですから、音を出すのは当然であるという解釈です。探している側も、探されている側も、まさに「見つける天才」であり、「見つけて♡」の天才でもあるわけです。
余談ですが… 現在、日本のGPS関連の法律の動きについて
2021年5月18日の日本経済新聞の記事です。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE188YD0Y1A510C2000000/
このように他人にGPSを仕込む一連の行為を取り締まる法律が2021年8月より施行されます。
今回ご説明したAirTagも、もちろん対象となります。
我々探偵業界でも様々な意見が飛び交い、今後どうしていくか検討が求められる時代となりました。
恐らく見せしめの意味でも、施行後しばらくは逮捕者なども出るでしょう。
なので一般の方はより慎重になり、自分で安易に調査するなどの行為は、十分に注意する必要が出てきます。
これは配偶者同士であっても同様です。
今ではGPSは簡単に手に入り、より身近なものとなり、性能もどんどん上がり、今回のAirTagのように、電池も1年以上持つ物も登場してきました。
しかし一方で、世の中的には、個人のプライバシーを重んじる法律が強化され、それを使用する目的が問われる時代となっております。
Apple社はiPhoneを始めとする端末のセキュリティーは完璧と言っていいでしょう。そんなApple社がストーカーの片棒を担ぐ製品を出すわけがありません。
お使いにならないように、またはGPSの出番がないような平穏な生活を目指すことが、ベストなのではないでしょうか。
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